執筆時最新の2021年11月に発表された中間期決算資料を基に分析していきます。
三井住友FGとは
SMBC(三井住友銀行)、SMBC信託銀行、SMBC日興証券、三井住友カード、SMBCファイナンスサービスといった銀行業・金融業をメインにした会社の多いグループです。
メインの三井住友銀行はその名の通り銀行業で「預金業務、貸出業務、商品有価証券売買業務、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務、社債受託および登録業務、金融先物取引等の受託業務、証券投資信託の窓口販売業務等」を行っています。
海外ではヨーロッパ・アメリカ・中国・ブラジル・ロシア・インドネシア・マレーシアで業務を行っています。
脇を固めるSMCC(三井住友カード)はクレジットカード事業、SMBC日興は証券事業、SMBCCFはプロミス、SMBCモビットでのカードローン事業です。
事業構成
中間の粗利益数値で計算すると
・SMBC(三井住友銀行)が半分以上の利益を上げている
・資金利益、役務取引等利益で8割
資金利益は貸出利息や有価証券などの利息配当で、役務取引利益は貸出や証券等の手数料収入になります。
三井住友銀行を中心に銀行業務で収益をあげて、シナジー事業の関連金融業で収益の底上げと経営の効率化を図っている印象です。
あとは基本手数料収入がメイン。
配当傾向
三井住友FG HPより
金額も配当性向も右肩上がり
2021年11月時点で株価は4000円前後で推移しており21年予想配当200円で配当利回り5%前後で高配当の部類に入ります。
配当は累進的、配当性向40%を目指すとのことなので業績の拡大に伴い、じわじわと増えていくことが期待できます。
自社株買いは2019年5月に1000億円分おこなっており配当と共に株主還元を考えている企業ととらえられます。
自己資本比率、資本健全性
自己資本比率は5%前後ですが、銀行という業態は預金などを貸出する分自己資本が低くなりがちです。
国際基準を満たした特別な算出方法で出した自己資本比率の公表値は18%前後でこちらもそんなに高くない印象です。ただ、ほかの銀行もさほど変わらない数値であり、国から厳しく資本を管理されている銀行業なので基準を満たしている以上は特に気にしなくていいかと。
格付け 長期
Moody’s | A1 | 安定的 | |||
---|---|---|---|---|---|
S&P | A- | 安定的 | |||
Fitch | A | ネガティブ | |||
R&I | A+ | 安定的 | |||
JCR | AA- | 安定的 |
成長率、利益推移
株探グラフ
売上高は右肩下がり
経常利益も右肩下がり
22年3月期での予想純利益は6700億と増収増益となっており、18年、19年より数%低い程度の純利益です。
コロナの影響もあり読みづらい先行き、伸び悩む利益で今後の成長にはそんなに期待できないのかなという印象です。ただ、規模の大きな会社、高配当銘柄に分類されるため、株価に与える影響は成長性よりも減配しないかどうかが重要かもしれません。
銀行業は金利の影響を受けやすいため、金利上昇局面では利益の伸びに期待できそうです。また、投資の活発化によりSMBC日興といった証券事業も伸びが良いため、グループとして成長していないわけではなさそうです。
各種数値
全体的にメガバンク間ではほとんど変わらない数値
最大手は時価総額的に三菱UFJ
三井住友FG
時価総額5兆3000億
PER 10.4 PBR 0.4 ROA 0.2
三菱UFJFG
時価総額8兆6000億
PER 10.4 PBR 0.4 ROA 0.2
みずほFG
時価総額3兆7000億
PER 7.8 PBR 0.4 ROA 0.2
余力があれば配当狙いで積みたい銘柄
単元40万程度のミドル帯で配当予想200円で利回り5%前後、今後金利が上がれば追い風が吹くかもと考えれば資産株として持っていてもいいのかなって感じですね。
FIREを考えるのであれば高配当・株主還元意識あり・堅めの銀行業メインで倒産や無配のリスクも少ないと思われるのでポートフォリオに組み込んでも面白いんではないでしょうか。
個人的には数千万~億規模なら組み込んでる銘柄です。1億円分買ったら平均年収くらいの配当と思うと皮算用もはかどります。
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